壁式木質厚板構造
Timber Panel Wall-building
エスフォルム一級建築士事務所
1.WTP構法の概要
従来の木造建物は基礎の上に設置した土台に柱、梁を建て込み、
その後に間柱や筋交い、小梁や根太を取りつけ、その後下地板等を取りつけて壁や床を造る方法や、
柱と間柱や筋交いや下地板を一体化したパネルを建て込み、その後小梁や火打ち梁を取りつけ、
その後根太や下地板を取り付けて壁や床を造る方法が採られていました。
ここに紹介する壁式木質厚板工法では、基礎または土台の上に壁用木質厚板を建て込み、
壁用木質厚板の頭部に固定した桁梁に床用木質厚板を緊結するだけで基本架構(ユニット)を構成し、
この基本架構を桁方向、張間方向及び上下方向に拡張して建物をつくることができます。
2.床に木質厚板を採用したときのメリット
○ふところが小さく抑えることができるために建物全体の高さを低く抑えることができ斜線制限などに有利になる。
○梁によらずに大スパンの床を架けられる。
○建物の高さが同じならば、より天井の高い(約120~240mm高くなる)空間造ることができる。
○天井を新たに設けなくても梁型の出ないフラットな天井とすることができる。
○床の面密度を大きくすることが可能なので上下階、外部との遮音性能が向上する。
3.壁に木質厚板を採用したときのメリット
○柱と同厚の壁となるので鉛直荷重による応力の集中が減る。
(特に、大スパン架構としたときにより効果が大きい。)
○耐震壁としての板厚を大きくできるので風圧力や地震力による応力を低く抑えられ、建物の水平耐力が向上する。
○壁の面密度を大きくすることが可能なので遮音性能が向上する。
○概要モデル
○実施建物
WTP-I(茶畑の家)
廣部剛司建築設計室との協同設計、施工:シグマ建設

○設計例
DENEFES+S.FORMの協働設計(コンペ作品) 3作品
○構造材としての杉LVL
本工法に用いるパネルとして現在最も可能性のあるのが杉LVLだと考えています。
それは、杉の木目が美しいこと、原材料が国産であること、間伐材を用いていること、価格が安いためです。
製造方法は杉丸太(長さ1mにした間伐材)からベニヤを削りだして積層・接着して製造します。
※著作権は放棄していませんのでご注意ください。
また、当社と協同開発などお考えの方は遠慮なくご連絡下さい。